銭湯では仕事がうまくいかず実家のまるきん温泉をマンションにしてしまおうと画策する主人公の史朗と、親父の葬式に顔も出さずのこのこ帰ってきた兄への不満を露わにする弟の悟朗の不仲から和解までの物語を、住み込みバイトの看板娘や、毎日足しげく通うお客さんらとの小さなドラマをおりまぜながらの人情物語といえる作品でした。映画『湯道』公式サイト|大ヒット上映中! (yudo-movie.jp)
あらすじ
独立後仕事がうまくいかない主人公が実家の銭湯に帰省、弟や住み込みの看板娘のアルバイト、毎日足しげく通う人たちを通じて、小さな町の人たちとの絆、そして湯につかる行為への感謝と多幸感を伝える人情喜劇。予告編やCMを見ると、都会に染まりながらも負け犬として帰ってくる主人公の兄と、親父の仕事を継いで淡々と仕事をこなす弟との対立を、周囲の人たちも交えつつ、面白おかしいコメディ風ではあったが、意外と奥が深い!お風呂屋さんが店前にはる「わ」「ぬ」の秘密はぜひ映画で答え合わせしてください!
ポイント
面白い点は「銭湯」と「天然温泉」の違いを源泉かけ流し主義の温泉評論家を交えて格付けじみたシーンが数々あります。銭湯は温泉ではないと否定から入っていましたところが作品中の悪役なのでしょう。さらにストーリーは「湯道」究める作法が真面目に演技されていますが、これが思わず笑ってしまいます。しかし、よくその発想がうまれた。すなわち、暗黙知を形式知に変換されています。
1.合掌:湯に浸かる前に、自然から生まれた水と恵みへの感謝と称して手を合わせる。
2.潤し水:これから長く浸かることで体の水分を失う前に水分補給といったところでしょうか。
そこで使われる湯呑みは家元の家紋が入ったモノ。これが物語の伏線にもなっています。
3.衣隠し:キチンと畳んで脱衣し、脱いだものが風流な景色になるところはぜひ一見あれ。
4:湯合わせ:湯を体にかけると同時に、体の汚れを洗い流します。
5:入湯:ここがポイント!波を立てずに静かに入るのが決まりのようです。
6:縁留(ふちどめ):風呂のお湯を外に出さないために、縁でとどめる行為。
表面張力ぎりぎりまで湯につかり、溢れない状態で湯につかります。ここで弟子の拍手が見もの。
普段、我々が習慣にしているお風呂おいう行為を、今一度振り返り、湯の道を極めるという行為そのものが、人生ををも豊かにさせていくっていうわけです。お弟子さんの動きにも注目です!
一方、銭湯では、庶民のお湯につかる一般的な作法、また、男女別で夫婦で入ったとこにあがるよ~と湯桶をたたくと湯桶をたたく回数でYES,No,の返事がなされるほのぼの感。先に上がって奥さんに内緒でこっそりビールをのむおじさんの心境には思わず納得感があります。これは湯堂の潤しに対する水湯上りのビールやコーヒー牛乳を飲むことで水分補給を対比示唆しているようです。
また、銭湯のお客の人間味について、クリスハートがオヤジを刺して刑務所に入ってる役、しかも母ちゃん役が天童よしみ。出所後、後半で二人の歌のエンターっテイメントがそそります。歌が風呂の天然エコーを音響として歌唱を披露することと家族の絆が強まり、ほっこりします。私も子供のときに、大声でお母さん先に上がるよ!と大声で叫ぶといいよお返事をもらった思い出がありますので、その家族の感覚を思い出させます。究めつけは秘境の五右衛門風呂。ここで兄弟のベクトルがあってきます。住み込みバイトの看板娘の祖母の家だったというくだりは予想がつく方も多かったかなと思います。
他にも厚切りジェイソンは、外国人の悪いお手本みたいに描かれえいました。シャワーの国だろうお想像がうきます。それこそ日本人の彼女と結婚するために、お父さんに認めてもらう一心で風呂の作法を学ぶ役なのですが、いくらなんでも脱衣所で体を洗うってのは、周りの人をみればそんなことはしないだろうお思いますし、周りも注意するだろうと突っ込みまたが、あえてコミカルにしたてているのでしょう。このシーンで一息つけた感じです。さすがの外国人でもやらんんだろうと突っ込みした方も多かったはずです。
時代的にいう悪役が、厳選かけ流し主義の温泉評論家を登場させることで銭湯を目の敵にし、銭湯に通う人たちと対立構造を生んでいくというのも、モノがありの山場へ向かうポイントだったと思います。キャストも豪華です。
まとめ
たくさんのの登場人物をまとめストーリーを仕上げた構成は素晴らしかったと思います。風呂に浸かることそのものが素晴らしいこと、摩擦を作ってそれが解決していくこと、いくつかのストーリーが効果的に刺さること。風呂につかるという普段の所作をあらためて見直したたり、している方が多いのではないでしょうか。縁留(ふちどめ)あ映画をきっと思い出すはず。
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